『万宝料理秘密箱 卵百珍』のレシピです。翻刻テキスト、現代語訳、現代レシピの3種類があります。すべてのレシピに翻刻テキストを用意していますが、現代語訳と現代レシピは一部のレシピに限定しています。なお画像一覧からもレシピにアクセスできます。
現代レシピ
上品な風味 卵入りおかゆ
昆布だしの旨みと上品な風味で素材の味を最大限に引き出したお粥です。お米の甘さと卵のコクが引き立ちこれだけでもご馳走です。
材料 | 分量 (4人分) |
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卵 | 3個 |
米 | 1合 |
昆布(だし用) | 適量 |
日本酒 | 小さじ1 |
水 | 1升(10合) |
手順
1 | 鍋に一升の水、昆布を半日〜1晩浸けておく。 火にかける直前に取り出す。 | |
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2 | 米を水で洗い、5合の水に浸けておく。 | |
3 | 米をザルに上げて(1)の鍋に加え、日本酒も加え、中火にかけてじっくりと炊く。 | |
4 | 鍋底が焦げないように時々混ぜる。 | |
5 | 白粥が炊けたら、卵をよく溶きほぐし、細くたらしながら加える。蓋をして少し置いて卵が固まったらそっと混ぜる。 |
コツ・ポイント
お粥がドロドロになる手前、多少サラッとしている時に卵を入れた方が、素材同士の味が馴染み、美味しく頂ける。
レシピ概要
項目 | 内容 |
---|---|
食材分類 | 卵、米、海藻 |
主な食材 | 卵、新米、山昆布 |
調味料 | 古酒 |
主な調理法 | 炊く、といて流し込む(卵)、蒸らす |
道具 | 小盃、釜 |
主な使い方 | 薬 |
現代語訳
手順
1 | 上々の新米をおよそ5合程、よく水に浸す。 |
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2 | 上々の昆布、但し酢に漬けていない真昆布を、半日かひと晩、水に漬けておく。昆布は水の中で十分にもみ出して洗う。 |
3 | ②に水を2升入れ、加熱する。水の量が1升2合程になったら、昆布を取り出す。 |
4 | 水につけておいた米を、③に入れる。 |
5 | ④に古酒を小盃に1杯入れる。 |
6 | ⑤を炊く。白粥ができたら、火を消す。 |
7 | 卵を15個程割り、よく溶いてから、⑥の白粥の中へ流し込む。 |
8 | すぐに釜の蓋をして、しばらくしてからよそう。この卵は烏骨鶏の卵ならばとても良い。 |
使い方など
当時の人々によく知れ渡っていた料理。 大いに精力がつく。
翻刻テキスト
手順
1 | 上々新米を凡五合ほど よく水がしにして |
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2 | 扨此中へ入ル水は 上々昆布 但し酢に漬ざる 山昆布を 半日ほとか 一夜か 水に漬をき |
3 | よくよく 水にてもみ出して洗ひ |
4 | 扨是に水二升入レ せんしだし |
5 | 水一升二合ほどに なりし時に 右のこんぶを取上 |
6 | さてこの中へ 右のかし米を入 古酒を小盃に 一はい入て 焚(たく)がよし |
7 | 扨白粥になりしときに 火を引取 |
8 | 此中へ たまごを 十五ほとわり よくよくときて 流しこむべし |
9 | とくと釡のふたをして しばらくして よそひ出す |
10 | 但し 此たまごも うこ毛のたまごなれば はなはだよし |
使い方など
一是の仕方は 世の人のしる所なれども 此に出す 大精気のくすりなり
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ライセンス
『江戸料理レシピデータセット』(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター作成) 『日本古典籍データセット』(国文学研究資料館所蔵)を翻案 はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-SA)の下に提供されています。
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『江戸料理レシピデータセット』(CODH作成) 『日本古典籍データセット』(国文研所蔵)を翻案
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