第4回CODHセミナー
デジタルアーカイブにおける画像公開の新しいトレンド
~IIIFが拓く画像アクセスの標準化と高度化~

テーマ

ここ数年、海外の大学、ライブラリ、ミュージアムなどでは、高解像度かつ高品質な画像データを一般に公開する動きが加速しています。その要因の一つとなっているのが、画像公開の標準的な枠組みを定めるIIIF (International Image Interoperability Framework)です。

IIIFは国際的なコミュニティに基づく活動であり、そこで開発された枠組みを採用すれば画像公開に関するシステム構築の敷居が下がるなどの利点があります。またIIIFの普及はオープンデータ/オープンサイエンスの潮流とも並行して進んだため、海外の有力機関はIIIFを活用した高解像度画像データの公開に続々と踏み切るようになりました。

この動きは日本にも波及しつつあり、既にいくつかの機関がIIIFによる画像公開を開始しています。しかし、そもそもIIIFとは何なのか、IIIFの活用事例にはどんなものがあるのか、どんなソフトウェアが使えるのか、また今後に向けた課題と期待は何かなど、聞きたくても聞けない疑問を抱えている人も多いのが現実ではないでしょうか。

そこで本セミナーは、2017年6月にバチカンで開催された2017 IIIF Conferenceで議論された最新動向の報告を兼ねて、IIIFに関して幅広い視点から情報を共有できる場にしたいと考えています。IIIFに関していま何が起こっているかを知りたい、(オープンソース)ソフトウェアを開発/運用したい、同じような取り組みを進めている人と情報を共有したいなど、「IIIF」というキーワードに惹かれる方々の積極的なご参加をお待ちしております。

基本情報

日時 2017年7月27日(木) 13:50-17:00(13:20開場)
会場 国立情報学研究所 1208/1210会議室
参加登録 参加費は無料、定員は約120名です。当日受付はありませんので、必ず事前登録をお願いします。
言語 講演はすべて日本語です。
主催 情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)
後援 デジタルアーカイブ学会 技術部会

参加登録

2017-07-27

セミナーは終了しました。参加者は122名でした。ご参加ありがとうございました。

2017-07-20

事前登録の受付を締め切りました。当日受付はありませんので、後日に人文学研究データリポジトリから公開予定の講演資料をご覧下さい。

2017-07-19

情報交換会の受付を締め切りました。

2017-07-14

定員を90名から120名に増やし、事前登録を再開しました。

2017-07-11

併催イベント:IIIFハンズオンセミナーの申し込みを開始しました。

2017-07-07

定員に達したため、事前登録をいったん終了いたしました。

プログラム

13:20 開場
13:50-14:00 趣旨説明 北本 朝展(CODH/NII)
14:00-14:35 IIIFの最新動向
世界中の画像を相互利用可能にするフレームワークIIIF 高野 明彦(国立情報学研究所)
IIIFと文献資料:マルチレイヤー展示からWebコラボシステムまで 永崎 研宣(人文情報学研究所)
IIIFでの画像データのリンク生成の取り組み 西岡 千文(京都大学附属図書館)
IIIFで進むソフトウェア開発と画像公開プラットフォームへの道 北本 朝展(CODH/NII)
14:35-15:10 IIIFの活用事例
バチカン図書館におけるIIIFの適用の今後の拡張 杉野 博史(NTTデータ)
慶應義塾大学メディアセンターでのIIIFへの取組み 入江 伸(慶應義塾大学メディアセンター本部)
「新日本古典籍総合データベース」におけるIIIFの利用について 松田 訓典(国文学研究資料館古典籍共同研究事業センター)
IIIF規格の拡張に基づくキュレーションやタイムラインを用いた画像公開事例 北本 朝展(CODH/NII)
15:10-15:20 休憩
15:20-15:55 IIIFとソフトウェア
東アジア資料のためのIIIFの活用:縦書きとアノテーションを中心として 永崎 研宣(人文情報学研究所)
IIIFを利用した人文学共同研究のためのツールの開発について 佐藤 正尚(東京大学)太田 一行(京都大学)
DrupalとIIIFを組み合わせたデジタルアーカイブシステム 井村 邦博(メノックス)
IIIF:もっと使える機能、そして拡張の可能性 神崎 正英(ゼノン・リミテッド・パートナーズ)
15:55-16:30 IIIFの課題と期待
京都大学貴重資料デジタルアーカイブの課題と今後の展望 西岡 千文(京都大学附属図書館)
博物館資料とIIIF 村田 良二(東京国立博物館)
IIIFへの期待:より豊かな情報資源への協働 奥田 倫子(国立国会図書館)
美術史研究でのIIIF活用に向けた期待 高岸 輝(東京大学)鈴木 親彦(CODH)
16:30-17:00 ディスカッション 全員

なお17:30-19:30には、別会場にて情報交換会を開催します。参加費は5000円(学生1000円)です。申込は締め切りました。当日参加は受け付けておりませんので、ご了承下さい。

発表概要

当日の発表資料は、各タイトルの下のリンク先にアーカイブしていますが、DOIがうまくレゾルブできない場合には人文学研究データリポジトリ 第4回CODHセミナーをご覧下さい。

世界中の画像を相互利用可能にするフレームワークIIIF

発表資料:http://id.nii.ac.jp/1485/00000316/

IIIFは、デジタル画像を簡便に発信して、ウェブスケールで相互利用可能にする運動として、すでに100以上の組織が参加している。その意義と最新動向について紹介する。

IIIFと文献資料:マルチレイヤー展示からWebコラボシステムまで

発表資料:doi:10.20676/00000305

ヴァチカンで開催されたIIIFカンファレンスでは、IIIFの当初の目標であった写本資料の扱いに関する応用・活用事例が目立っていた。それらのいくつかに関して具体的に紹介する。

IIIFでの画像データのリンク生成の取り組み

発表資料:doi:10.20676/00000317

IIIFに対応した画像データが増加するとともに、それらをリンクさせる取り組みが活発に行われている。それらの取り組みを一部紹介する。

IIIFで進むソフトウェア開発と画像公開プラットフォームへの道

発表資料:doi:10.20676/00000308

IIIFコミュニティでは様々なソフトウェア開発が並行して進んでおり、画像公開プラットフォームとしての機能を一通り揃える方向に進んでいる。この方向性に関して、IIIF会議で感じた期待と懸念をまとめたい。

バチカン図書館におけるIIIFの適用の今後の拡張

発表資料:doi:10.20676/00000313

バチカン図書館におけるIIIFの適用と今後の展開について紹介する。

慶應義塾大学メディアセンターでのIIIFへの取組み

発表資料:doi:10.20676/00000314

2017年4月から新しい貴重書サイトを公開している。このサイトでのIIIFへの取り組みについて紹介する。

「新日本古典籍総合データベース」におけるIIIFの利用について

発表資料:doi:10.20676/00000307

今年度公開を開始した「新日本古典籍総合データベース」ではIIIFを利用して画像の配信を行っているが、その取り組みについて紹介する。

IIIF規格の拡張に基づくキュレーションやタイムラインを用いた画像公開事例

発表資料:doi:10.20676/00000309

IIIF規格を拡張したオープンソース画像ビューアIIIF Curation Viewerによるキュレーションやタイムラインの活用について、人文科学における貴重書画像だけでなく、自然科学における衛星画像の公開等に関する事例を紹介する。

東アジア資料のためのIIIFの活用:縦書きとアノテーションを中心として

発表資料:doi:10.20676/00000306

IIIFでは縦書きや右⇒左ページめくりについて規格上はある程度対応しているもののビューアレベルでの対応が追いついていなかったためそれにまつわる改良について紹介する。また、仏教図像データベースにおけるIIIFアノテーションの事例についても触れる。

IIIFを利用した人文学共同研究のためのツールの開発について

発表資料:doi:10.20676/00000311

増加し続ける電子資料の公開と利用の円滑化を進める国際規格IIIFの登場によって、人文学においても共同研究の利便性が向上することが期待されている。本発表では、IIIF対応ビュワーであるMiradorの拡張版の構想とデモを示すことで、一つの事例を紹介する。

DrupalとIIIFを組み合わせたデジタルアーカイブシステム

発表資料:doi:10.20676/00000310

IIIFを利用するためには、IIIF manifestを作成する必要があります。しかし、IIIF manifestは、人間の手で簡単に入力できる構造ではありません。そこで、IIIFとメタデータ管理に優れているオープンソースのDrupalというコンテンツ・マネジメント・システムと組み合わせて、IIIF manifestを自動作成するソフトウェアを開発しました。開発したソフトウェアについてご紹介させていただきます。

IIIF:もっと使える機能、そして拡張の可能性

発表資料:http://id.nii.ac.jp/1485/00000319/

IIIF表現APIの2.1に備わっていてもっと活用が期待される機能や、外部の情報との組み合わせ、次期v3での拡張が計画されているA/V対応機能など、自作ツールでの実装例によって紹介します。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブの課題と今後の展望

発表資料:doi:10.20676/00000318

9月に公開予定であるIIIF対応の京都大学貴重資料デジタルアーカイブについてプロトタイプの紹介を行い、現在の課題・今後の展望を共有する。

博物館資料とIIIF

発表資料:doi:10.20676/00000315

これまで、e国宝や東京国立博物館デジタルライブラリーで文化財の高精細画像を公開してきた。オープンデータやIIIFにどう向き合うか、課題を検討する。

IIIFへの期待:より豊かな情報資源への協働

発表資料:doi:10.20676/00000312

国立国会図書館は、「国立国会図書館デジタルコレクション」にて所蔵資料のデジタル画像を、「NDLサーチ」にてメタデータの提供を行ってきた。研究資料の所蔵機関としての立場から、IIIFへの期待を述べる。

美術史研究でのIIIF活用に向けた期待

発表資料:doi:10.20676/00000304

IIIFによる高精細画像に対し、IIIF Curation Viewerなどのツールを活用して簡易に顔などをリスト化できることで、美術史の根幹ともいえる様式研究がさらに発展する。また、過去に行われた様式比較をツールを活用して追体験することで、教育的にも大きな効果をもたらすことができる。今後、e国宝などを通して様々な名品の画像がIIIF対応することで、美術史でのさらなる活用が期待できる。

講演者概要

北本 朝展(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

高野 明彦(国立情報学研究所)

永崎 研宣(人文情報学研究所)

西岡 千文(京都大学附属図書館)

杉野 博史(NTTデータ)

入江 伸(慶應義塾大学メディアセンター本部)

松田 訓典(国文学研究資料館古典籍共同研究事業センター)

佐藤 正尚(東京大学)

太田 一行(京都大学)

井村 邦博(メノックス)

神崎 正英(ゼノン・リミテッド・パートナーズ)

村田 良二(東京国立博物館)

奥田 倫子(国立国会図書館)

高岸 輝(東京大学)

鈴木 親彦(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター)

併催イベント

IIIFハンズオンワークショップ

日時 2017年7月27日(木) 10:30-12:30
会場 一橋講堂 1階 特別会議室 (CODHセミナーと同一の建物です)
参加登録 参加費無料、要参加登録
講師 永崎研宣(人文情報学研究所・東京大学大学院人文社会系研究科人文情報学拠点)

Web上のマルチメディアコンテンツを自在に扱えるようにするための国際的な標準規格として世界中に急速に広まりつつあるIIIF。第4回CODHセミナーではその最先端の状況が報告され議論されるが、このワークショップでは、そこで必要となるIIIFに関する基本的な情報とその背景事情について、実際にIIIF関連のアプリケーションを操作しながら把握する場とすることを目指す。

なお、参加にあたっては、インターネット接続可能なノートパソコンを持ってきてください。こちらでも少しだけ無線LAN接続回線をご用意しますが、数に限りがありますのでなるべくご自身にてインターネット接続をご用意ください。

詳細:東京大学大学院人文社会系研究科次世代人文学開発センター人文情報学拠点

タイムライン

関連記事

  1. 『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ、IIIFによる高解像度画像の公開とコンテンツへのDOIの付与を開始(カレントアウェアネス)

CODHセミナー

2017-07-27

第4回CODHセミナー デジタルアーカイブにおける画像公開の新しいトレンド~IIIFが拓く画像アクセスの標準化と高度化~

2017-05-30

第3回CODHセミナー 人文学でのDOI活用 〜研究データや所蔵品など研究資源へのDOI付与〜

2017-02-10

第2回CODHセミナー くずし字チャレンジ 〜機械の認識と人間の翻刻の未来〜

2017-01-23

第1回CODHセミナー Big Data and Digital Humanities