伊勢物語

真名本は、漢字のみを用いて万葉仮名風に本文を記した特異な『伊勢物語』の伝本であり、寛永二十年(一六四三)に刊行された版本がよく知られているが、写本も数本現存しており、本書はその一本である。本文にも定家本等とは異なる独自のところがあり、『伊勢物語』の本文について考えるうえで重要な資料の一つである。本書は奥書によれば、「日野中納言資矩」が「前権大納言」である「余」の求めに応じて書写した本であるが、鉄心斎文庫にはこの日野資矩(一七五六〜一八三〇)が寛政四年(一七九二)に書写した『伊勢物語』が存していることも、このコレクションの裾野の広さを感じさせる。なお資矩は、文政十三年(一八三〇)に七十五歳で没している。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第18集】。(加藤)

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書誌情報(メタデータ)

項目 内容
DOI doi:10.20730/200024352
国文研書誌ID 200024352
統一書名 伊勢物語
統一書名よみ いせものがたり
刊写の別
記載書名連番 記載書名表記 記載書名よみ 記載書名種別 1 真名伊㔟物語 まないせものがたり 外・帙
書写連番 書写者 書写年 書写表部編等 1 日野/資矩
オープンデータ分類 日本文学(伊勢物語)
作品通番 721
親子構造 単独
書誌種別 W
コレクションID 3045050
コレクション略称表記 国文研鉄心斎
著作ID 157
形態 60丁,25.3×16.7cm,半
冊数 1冊
注記 〈系〉真名本。〈形〉列帖装,薄茶地花唐草文金襴表紙,絹本金地見返し。〈奥〉(奥書)「此一帖日野中納言 資矩 応余需/所書誌焉 即加/外題 前権大納言(花押)」。〈伝〉(印記)「鉄心斎文庫」。
原資料請求記号 98-231
解題 真名本は、漢字のみを用いて万葉仮名風に本文を記した特異な『伊勢物語』の伝本であり、寛永二十年(一六四三)に刊行された版本がよく知られているが、写本も数本現存しており、本書はその一本である。本文にも定家本等とは異なる独自のところがあり、『伊勢物語』の本文について考えるうえで重要な資料の一つである。本書は奥書によれば、「日野中納言資矩」が「前権大納言」である「余」の求めに応じて書写した本であるが、鉄心斎文庫にはこの日野資矩(一七五六〜一八三〇)が寛政四年(一七九二)に書写した『伊勢物語』が存していることも、このコレクションの裾野の広さを感じさせる。なお資矩は、文政十三年(一八三〇)に七十五歳で没している。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第18集】。(加藤)

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