メモリープラットフォーム

古写真研究を中心に、景観変化を視覚的な史料の解釈やフィールドワークから探るための研究を進めています。

ツール

メモリーグラフ

メモリーグラフは、同一構図撮影を支援するカメラアプリである。同一構図の写真を撮影していくことで、場所の記憶を時間的に積み重ねていくことができる。その基本的な機能は、カメラのファインダー上に過去の写真を半透明で重ね、現在の風景と構図を合わせてシャッターを押すというもの。この単純な仕組みの応用範囲は広く、古写真を対象とした文化遺産のフィールドワークだけにとどまらず、災害のビフォーアフターから復興に至る定点観測写真や、観光地を巡るコンテンツツーリズムなどにも活用できる。

メモリーハンティング

メモリーハンティングとは、メモリーグラフの仕組み(アプリ)を用いて、過去に撮影された写真の撮影場所を探し、時間的な景観変化の意味を考える活動を指す。写真の撮影場所に緯度経度などが付与されていない場合、その正確な場所を探り当てるには、構図と景観が一致する場所を探すフィールドワークを行うのが確実な方法である。こうしたフィールドワークから得られるデータを、人文学研究に活用するというのが第一の課題である。それに加えて市民科学の観点からは、より楽しく社会的に意義のある活動をデザインしてその効果を確かめることが第二の課題となる。

今昔写真

今昔写真は、アプリを使わずに通常のカメラで、メモリーハンティングと同じことをした例である。通常のカメラでも同じことはできるが、過去の写真と現在の景観を見比べながら写真を撮影するには工夫が必要である。この時の経験が、メモリーハンティングアプリの開発につながった。

ビフォーアフター比較のための画像照合サービス

ビフォーアフター比較のための画像照合サービスは、同一の景観を異なる時期に撮影した写真の比較をするためのサービスである。この方法で撮影した2枚の写真を比較するために、画像比較スライダーなどの機能を備えたアプリを提供する。

関連する情報については、メモリープラットフォームを参照のこと。

関連サイト

  1. 長崎古写真ハンティング

支援

  1. メモリーハンティングを活用した戦後から現在の京都の景観変化に関する研究-京都市電のデジタル・アーカイブ写真を事例として-, データサイエンス共同利用基盤施設公募型共同研究ROIS-DS-JOINT, 007RP2018, 2018.
  2. スマホ・アプリ「長崎古写真ハンティング」の実証とARとの結合実験, データサイエンス共同利用基盤施設公募型共同研究ROIS-DS-JOINT, 024RP2018, 2018.
  3. メモリーハンティングを活用した戦後から現在の京都の景観変化に関する研究-京都市電のデジタル・アーカイブ写真を事例として-, データサイエンス共同利用基盤施設公募型共同研究ROIS-DS-JOINT, 005RP2017, 2017.
  4. スマホ・アプリ「長崎古写真ハンティング」の実証実験, データサイエンス共同利用基盤施設公募型共同研究ROIS-DS-JOINT, 020RP2017, 2017.