IIIF Tsukushi Viewer

IIIF Presentation API 3.0のマニフェスト表示に対応しました

IIIF Tsukushi Viewerは、CODHがこれまで開発してきたIIIF Curation Viewerを拡張したアプリである。Manifestを読み込み、ページを移動して表示する、といった基本機能を活用しつつ、複数ページを収集するページリスト機能や、画像領域の指定機能、Firebaseによる認証機能などは既存の機能を改良することで、日本古典籍との生成AIチャット機能を備えたIIIF画像ビューアを構築した。

IIIF Tsukushi Viewerは、2つのAPIと連携しながら動作する。第一に、Tsukushi Content Serviceは、ページリストに登録されたCanvasに対して、Canvas単位のテキストを取得する機能を提供する。第二に、Tsukushi Chat Serviceは、AIチャットに入力されたプロンプトを受け取り、LLMとのやり取りを経た結果を返す機能を提供する。

IIIF Tsukushi Viewerは、右側にAIチャットウィンドウを備えている。このウィンドウを開くと、上からコンテキスト選択、チャット履歴、プロンプトの3つの領域が並んでいる。コンテキスト選択は、本全体、ページリスト、画像領域の3種類のコンテキストから選択する。ページを選択した場合は、IIIF Tsukushi Viewerで表示中のページをチャットの対象に加えていく。画面上部の「☆」ボタンを押すことで、閲覧中のページをページリストに登録できる。そして、ページリストに登録されたCanvasに対して、Tsukushi Content Serviceから取得したテキストを表示する機能を有する。一方、画像領域を選択した場合は、IIIF Tsukushi Viewerで表示中のページの一部領域を矩形で指定する。

プロンプト領域には、プロンプトを自由に入力できるテキストボックスに加えて、左側に「新しいチャット」ボタン、下側にプロンプトライブラリが並んでいる。「新しいチャット」ボタンは、チャット履歴をクリアするとともに、新しいチャットIDを付与する。チャット履歴は3つのコンテキストごとに管理しているため、コンテキストを切り替えてもチャット履歴を保持することができる。また自由入力のプロンプトに加え、プロンプトライブラリが提供するメソッドに対応するボタンを並べることで、典型的なプロンプトを簡単に入力できるようにする。

チャットの一例を以下に示す。まずコンテキストを選択する。次に、プロンプトを入力するか、プロンプトライブラリから一つを選んでチャットを開始する。最初のチャットでは、コンテキストに関する情報をTsukushi Chat Serviceが収集して、LLMにリクエストする。2回目以降のチャットは、Tsukushi Chat Serviceが保持するチャット履歴を参照したチャットとなる。このチャットは、「新しいチャッ ト」ボタンを押すまで継続する。

AI チャットウィンドウを設定画面に切り替えると、モデルやパラメータの値を変更できる。どの項目を設定画面に表示するか、あるいはTsukushi Chat Serviceがどんなメソッドを用意しているかなどは、IIIF Tsukushi Viewerの設置時オプションで設定できるため、サービスの進化に応じて使い方を変更していくことができる。

参考

「つくし」プロジェクト

ライセンス

IIIF Tsukushi Viewer v1.1
http://codh.rois.ac.jp/software/iiif-tsukushi-viewer/

Copyright 2024 Center for Open Data in the Humanities, Research Organization of Information and Systems
Released under the MIT license

Core contributor: Jun HOMMA (@2SC1815J)

Licenses of open source libraries, see acknowledgements.txt

開発履歴

バージョン1.1 (2024-08-27)

  1. IIIF Presentation API 3.0のマニフェスト表示に対応。

バージョン1.0 (2024-07-18)

  1. 最初のバージョンを公開。