“IIIF Curation Player”は、IIIF Curation Viewerなどで作成したキュレーションを再生するツールである。
キュレーションの要素を自動的にページ送りする再生機能、キュレーション内の要素に対する説明文を画面上に表示する機能、再生速度等を変更する設定機能を提供する。
本ツールは、IIIF Curation Viewerをベースとして、キュレーションのプレゼンテーション用途に特化して機能を加除したツールである。この文章では、本ツール固有の内容を中心に記述する。
目次
動作デモ/活用例
IIIF Curation Playerのデモンストレーション
使い方
キュレーションの指定
IIIF Curation Viewerと同じく、GET引数(パラメータ名:curation)の指定やドラッグ&ドロップ、ペースト(貼り付け)により、再生するキュレーションのURLを指定する。
IIIF Curation Managerに用意された本ツールへのリンクを用いても良い。
また、IIIF Curation Viewerでキュレーションを閲覧している場合、ウェブブラウザのアドレスバーに表示されているURLを本ツールへドラッグ&ドロップやペーストしても良い。
キュレーション内のキャンバスに説明文が設定されていれば、その内容が画像上に表示される。
説明文の表示は、ドラッグによる位置移動や、右下隅のドラッグによる大きさ変更が可能であり、右上の「×」ボタン押下により閉じることができる。
キュレーションの自動再生
キュレーションの自動再生(自動ページ送り)を行うには、フルページ表示ボタンまたはfキーを押下し、フルページ表示にする。
フルページ表示時に左下に表示される再生()ボタンの押下により、自動再生が開始される。自動再生中は、同ボタンに時間表示がなされる。自動再生中に押下すると、再生が停止する。
自動再生機能の設定
フルページ表示時に左下に表示される設定()ボタンの押下により、自動再生機能の設定ダイアログボックスが表示される。
再生速度(0.5倍速/等倍速/2倍速)や、自動再生中の時間表示形式(円形プログレスバーによる表示/残り秒数の数字による表示)を設定できる。自動再生中に設定を変更した場合は、次のコマに進んだ際に設定が反映される。
※ 画面キャプチャ中の資料の出典:京都大学附属図書館所蔵『ぶんしゃう』
キュレーションの記述仕様
本ツールでは、Curationの記述構造をベースとして、次に挙げる項目を表示に利用している。これらの項目の編集には、IIIF Curation Editorを利用できる。
description
本ツールは、Curation
に含まれるCanvas
に付与されたdescription
プロパティを読み込み、画像上の説明文表示に用いる。言語ごとに異なる内容とする場合は、@language
と@value
を用いて記述する(詳細)。
durationHint
本ツールは、Curation
または、Curation
に含まれるCanvas
に付与されたdurationHint
プロパティを読み込み、自動再生時の表示時間の参考に用いる。
値は、数値(単位:秒)で指定する。
Curation
レベルでのdurationHint
プロパティの設定値は、当該キュレーションに含まれる全てのキャンバスに適用される。
Canvas
レベルでのdurationHint
プロパティの設定値は、当該キャンバスに適用され、Curation
レベルでのdurationHint
プロパティの設定値よりも優先される。
記述例
{
"@context": [
"http://iiif.io/api/presentation/2/context.json",
"http://codh.rois.ac.jp/iiif/curation/1/context.json"
],
"@type": "cr:Curation",
"@id": "http://mp.ex.nii.ac.jp/api/curation/json/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
"label": "塩焼く人々",
"selections": [
{
"@id": "http://mp.ex.nii.ac.jp/api/curation/json/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx/range1",
"@type": "sc:Range",
"label": "Manual curation by IIIF Curation Viewer",
"members": [
{
"@id": "https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/iiif/RB00013188/page214645",
"@type": "sc:Canvas",
"label": " ",
"description": "江戸時代に流行した絵入本(通称「奈良絵本」)の人気作に『文正草子』があります。京都大学貴重資料デジタルアーカイブで公開されているこの作品のように、「横本」とも呼ばれる横長の形態の作品が多く残っています。",
"durationHint": 20
}
],
"within": {
"@id": "https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/iiif/metadata_manifest/RB00013188/manifest.json",
"@type": "sc:Manifest",
"label": "ぶんしゃう"
}
}
]
}
設置時の設定
IIIF Curation Player設置時のオプション指定により、IIIF Curation Viewerと同様に、Playerの挙動をカスタマイズできる。IIIF Curation Viewer設置時の設定資料を参照のこと。
オプション指定
IIIF Curation Player固有のオプション指定として、次の項目が利用可能である。
-
descriptionDialog
-
defaultWidth
:デフォルト値'50%'
-
defaultHeight
:デフォルト値'95px'
-
descriptionDialog
説明文表示のデフォルトサイズ(幅はdefaultWidth
、高さはdefaultHeight
)を指定する。指定は、整数+単位(ピクセル単位であればpx
、画像表示部分の大きさに対する相対指定であれば%
)で行う。コマ読み込み時のウィンドウ幅が768px以上であるとき、指定が適用される。
設定例
index.js
var iiifPlayer = (function() {
var configExample = {
generic_jsonKeeper: {
trustedUrlPrefixes: ['https://', 'http://'],
service: {
curationJsonExportUrl: 'https://mp.ex.nii.ac.jp/api/curation/json'
},
descriptionDialog: {
defaultWidth: '50%',
defaultHeight: '95px'
}
}
};
return IIIFCurationPlayer(configExample.generic_jsonKeeper);
})();
プラグイン
IIIF Curation Playerは、IIIF Curation Viewerと同様に、プラグインを導入することによって、利用者のニーズに応じた機能拡張が可能となっている。IIIF Curation Viewerプラグイン解説資料を参照のこと。
ライセンス
IIIF Curation Player v2.0
http://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-player/
Copyright 2018 Center for Open Data in the Humanities, Research Organization of Information and Systems
Released under the MIT license
Core contributor: Jun HOMMA (@2SC1815J)
Licenses of open source libraries, see acknowledgements.txt
開発履歴
バージョン2.0 (2024-11-11)
-
IIIF Curation Viewer v2.0相当の機能に更新。
- 主な更新内容
- IIIF Image API非対応リソースの表示に対応。
- キュレーション/マニフェスト/キャンバスの情報表示に対応。
- IIIFマニフェスト/キュレーションURLのドラッグ&ドロップ、ペースト対応を改良。
- ただし、アノテーションビューモード機能、矩形枠線マーカーの編集機能は除く。
バージョン1.1 (2024-08-27)
- IIIF Presentation API 3.0のマニフェスト表示に対応。
バージョン1.0 (2018-11-30)
- 最初のバージョンを公開。