伊勢物語

構図も前例を踏襲しているものの、第二種本までと異なり業平が刀を持っていることが注目される。だが、顔を隠す仕草というこれまでの業平図のまま描き加えたために、右手は刀に手をかけながら左手は鞘も押さえずにただ高く掲げているというちぐはぐな絵になっている。手で顔を隠すいかにも貴族らしい業平から、刀を手に戦おうと構える勇ましい業平への読みの転換が見られる点でも興味深い。ちなみに、真ん中の追手が右手に持つ長刀の柄の長さも第二種までとは異なり地面に届いている。掲出場面のほか、八十二段(渚の院)の挿絵では業平の前に置かれた箱に白抜きで紅葉の葉が描かれているのも第三種本・第四種本の特徴である。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第1集】。 (田村)

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書誌情報(メタデータ)

項目 内容
DOI doi:10.20730/200024935
国文研書誌ID 200024935
統一書名 伊勢物語
統一書名よみ いせものがたり
刊写の別
記載書名連番 記載書名表記 記載書名よみ 記載書名種別 1 伊㔟物語 いせものがたり 外・帙
出版表連番 書肆 刊年 出版表部編等 1 慶長14
オープンデータ分類 日本文学(伊勢物語)
作品通番 760
親子構造 単独
書誌種別 W
コレクションID 3045050
コレクション略称表記 国文研鉄心斎
著作ID 157
形態 27.2×19.5cm,大
冊数 2冊
注記 〈版〉嵯峨本第三種。(刊記)「慶長己酉仲春上澣日。〈形〉薄茶色表紙,(上)51丁(下)65丁。〈伝〉(印記)「三井家鍳藏」他朱印二種。〈般〉絵入本。
原資料請求記号 98-562-1~2
解題 構図も前例を踏襲しているものの、第二種本までと異なり業平が刀を持っていることが注目される。だが、顔を隠す仕草というこれまでの業平図のまま描き加えたために、右手は刀に手をかけながら左手は鞘も押さえずにただ高く掲げているというちぐはぐな絵になっている。手で顔を隠すいかにも貴族らしい業平から、刀を手に戦おうと構える勇ましい業平への読みの転換が見られる点でも興味深い。ちなみに、真ん中の追手が右手に持つ長刀の柄の長さも第二種までとは異なり地面に届いている。掲出場面のほか、八十二段(渚の院)の挿絵では業平の前に置かれた箱に白抜きで紅葉の葉が描かれているのも第三種本・第四種本の特徴である。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第1集】。 (田村)

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