伊勢物語

室町時代中期に活躍した武将・歌人である、東常縁(一四〇一〜?)の書写による『伊勢物語』の写本である。常縁の真跡と認められる。本文の行間には墨と朱の書き入れが見られ、両者とも本文と同筆と思われる。墨の書き入れは、『十巻本伊勢物語抄』に同様の注記が見られることから、冷泉家流の古注であると推察される。朱の書き入れは、『古筆学大成』等に収められている伝東常縁筆『伊勢物語聞書』と内容を同一にすることから、常縁周辺に存在していた注釈書であると考えられる。常縁が『伊勢物語』を理解する際に、どのような資料を用いていたのかを窺い知ることが出来る資料と言える。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第5集】。(松本)

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書誌情報(メタデータ)

項目 内容
DOI doi:10.20730/200024151
国文研書誌ID 200024151
統一書名 伊勢物語
統一書名よみ いせものがたり
刊写の別
記載書名連番 記載書名表記 記載書名よみ 記載書名種別 1 伊㔟物語 いせものがたり 外・帙
書写連番 書写者 書写年 書写表部編等 1 東/常縁
オープンデータ分類 日本文学(伊勢物語)
作品通番 711
親子構造 単独
書誌種別 W
コレクションID 3045050
コレクション略称表記 国文研鉄心斎
著作ID 157
形態 74丁,22.2×15.5cm,半
冊数 1冊
注記 〈形〉列帖装,紺地宝相華唐草文金襴表紙,銀砂子散らし見返し,虫損あり。〈奥〉武田本奥書・「此□□□□筆/□□令書□□本即相傳/證本也校合又同前可備/證本而已/従五位下常縁(花押)」。〈書〉勘物・朱筆付注・章段冒頭に朱筆長点あり。〈伝〉(印記)「鉄心斎文庫」。
原資料請求記号 98-17
解題 室町時代中期に活躍した武将・歌人である、東常縁(一四〇一〜?)の書写による『伊勢物語』の写本である。常縁の真跡と認められる。本文の行間には墨と朱の書き入れが見られ、両者とも本文と同筆と思われる。墨の書き入れは、『十巻本伊勢物語抄』に同様の注記が見られることから、冷泉家流の古注であると推察される。朱の書き入れは、『古筆学大成』等に収められている伝東常縁筆『伊勢物語聞書』と内容を同一にすることから、常縁周辺に存在していた注釈書であると考えられる。常縁が『伊勢物語』を理解する際に、どのような資料を用いていたのかを窺い知ることが出来る資料と言える。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第5集】。(松本)

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