伊勢物語

巻末に「抑伊勢物語根源、古人説々不同」で始まる、藤原定家の根源本系統の奥書を持つ。さらにこれに続けて、「寛元四年三月廿八日」の明教、「文永九年十二月十二日」の定円、「暦応四年十一月一日」の順覚という三名の奥書がある。寛元四年(一二四六)は藤原定家の死後五年目にあたるもので、文永九年(一二七二)・暦応四年(一三四一)も鎌倉・南北朝期という古い年号であることが注目される。また「不忍文庫」(江戸時代の学者、屋代弘賢)、「阿波国文庫」(徳島藩主蜂須賀家)の蔵書印や「月明荘」(故反町茂雄の古書肆・弘文荘)の印を有しており、この本の伝来過程を知ることができるのも興味深い。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第1集】。(加藤)

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書誌情報(メタデータ)

項目 内容
DOI doi:10.20730/200024143
国文研書誌ID 200024143
統一書名 伊勢物語
統一書名よみ いせものがたり
刊写の別
記載書名連番 記載書名表記 記載書名よみ 記載書名種別 1 伊勢物語 いせものがたり 帙
書写連番 書写者 書写年 書写表部編等 1 順覚 暦応4
オープンデータ分類 日本文学(伊勢物語)
作品通番 708
親子構造 単独
書誌種別 W
コレクションID 3045050
コレクション略称表記 国文研鉄心斎
著作ID 157
形態 90丁,24.0×18.5cm,半
冊数 1冊
注記 〈形〉茶色地花唐草文金襴表紙,金泥地秋草絵見返し。〈奥〉根源本第二系統奥書・(奥書)「此本非常本之躰古本根源殊可/庶幾仍書写了秘蔵物也後日可清/書者也/寛元四年丙午三月廿八日勘注了/明教」・「相傳本為人被借失之間□得彼同本所/書写也于時文永九年十二月十二日記之/定円」・「暦應四季十一月一日書写了是則(…)西方上人順覚」。〈伝〉(印記)「鉄心斎文庫」「不忍文庫」「阿波国文庫」「月明荘」。
原資料請求記号 98-9
解題 巻末に「抑伊勢物語根源、古人説々不同」で始まる、藤原定家の根源本系統の奥書を持つ。さらにこれに続けて、「寛元四年三月廿八日」の明教、「文永九年十二月十二日」の定円、「暦応四年十一月一日」の順覚という三名の奥書がある。寛元四年(一二四六)は藤原定家の死後五年目にあたるもので、文永九年(一二七二)・暦応四年(一三四一)も鎌倉・南北朝期という古い年号であることが注目される。また「不忍文庫」(江戸時代の学者、屋代弘賢)、「阿波国文庫」(徳島藩主蜂須賀家)の蔵書印や「月明荘」(故反町茂雄の古書肆・弘文荘)の印を有しており、この本の伝来過程を知ることができるのも興味深い。鉄心斎文庫所蔵伊勢物語図録【第1集】。(加藤)

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