「諸礼集」は有職故実書。武家における様々な行事の作法、日常の礼儀について述べる。版元野田弥兵衛は、京都寺町二条下ル町、妙満寺前の書肆。文学関係の書を多く刊行している。『元服之次第』は元服の作法について、烏帽子親のもとへ行く場合の心得から順を追って述べる。髪の結い方については、真・行・草に分け図示。『嫁取之次第聟入之事』は婚礼の際の作法について、相手方へ贈る品、座敷の様、盃の事などについて述べる他、「懐妊の帯の事」「喰初の事」など幼児の成長に関わる行事についても解説する。『酌之次第』は酒席において酌をする時の作法、また盃を受ける際の作法を、貴人などの御前の場合、嫁取りの場合など、様々なシチュエーションに応じて詳しく解説。酒席での食物についても述べる。『通之次第』は膳を給仕する際や貴人の前で物を食べる場合の作法について述べ、献立や膳の配置も示す。また、菓子の場合、鷹などの食べ方についても述べる。『万請取渡之次第』は武具の受け渡し、また受け取りの作法について述べる。前半は刀について、後半は弓、槍、馬、鷹などについて、様々なシチュエーションに応じて詳しく解説する。『万躾方之次第』は季節の行事、来客の接待、火鉢や扇の勧め方など、日常の様々な場面における作法について、また連歌、香や鞠の場など武家に必要とされる様々な嗜みの作法について述べる。『書札之次第』は書状、起請文などの書き方について解説する。第七冊では表書の書き様を解説する。送り先に応じて、図で示しながら詳しく述べられている。

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