データをどう捉え、どう構造にし、どう扱うかをまとめる。規模を変えて見るという立場から入り、そのための道具を順に見る。
3 データモデリングと可視化
下位の章
- 3.1 遠読と精読 一点を深く読むことでは見えないものが、規模を上げて集約すると見えてくる。逆に、集約が消してしまうものがある。大量の部分を並べて様式を比べる、村を全数そろえて分布を見る、住所を集計して地理を描く、写真を通時的に並べる。歴史ビッグデータという語がこの立場を指すこと。規模を変えることで何を得て、何を失うか。
- 3.2 データモデリングと構造化 資料をデータにするとき、何を実体とし、何を属性とし、何を関係とするか。その選択が後で何を問えるかを決めてしまう。オントロジー、本文から切り離して注釈を持つやり方、構造を決めることが解釈を含んでいるということ。
- 3.3 データの格納と情報基盤 決めた構造をどこに、どう格納するか。表計算から関係データベース、空間データベース、グラフの格納まで。何を API として配信するか。規模と用途に対する選び方、そして後から変えることの難しさ。
- 3.4 データを整える 実務で最も時間を食う工程。表記の揺れ、異体字、同じものを指す別の書き方、名寄せ。どこまで整えるべきか、整えることで何を失うか、そして整えた記録をどう残すか。
- 3.5 メタデータ データを記述するための語彙。標準に従うかたいメタデータと、対象に即して柔軟に作るやわらかいメタデータ、そして生成AI がその間を橋渡しする可能性。スキーマをどう選び、どこまで書くか。
- 3.6 テキストから実体を取り出す テキストから地名・人名・年代といった実体を取り出し、他のデータにつなぐ。固有表現抽出、大規模言語モデルによる抽出と構造化、埋め込みによる検索。取り出した実体が地名辞書や知識グラフに流れ込むこと。
- 3.7 知識グラフとリンクトデータ 実体と実体の関係を表す。リンクトデータ、識別子による接続、来歴や記録の構造を表す語彙、グラフを検索に使うこと。関係として表すことで何が問えるようになるか。
- 3.8 可視化の技法 データを図にする。分布を地図に描く、時間の変化を並べる、量を比べる。どの図を選ぶかが何を主張することになるか —— 可視化は中立な表示ではなく、データモデルについての主張である。地理データを地図にするときに特に起きること。