IIIF Curation Platform(ICP)を用いて構築・運用されているサービスの具体例として、「Cultural Japan」とそこから派生した「セルフミュージアム」の事例が報告されている。ICPの概要やツール構成については「IIIF Curation Platformの基本」を参照。

Cultural Japanとセルフミュージアム

「Cultural Japan」は、世界中の機関が公開する日本文化に関するデータを収集して検索可能にするプロジェクトで、100万件におよぶデジタル資料を扱う [UC-003 §Cultural Japan とセルフミュージアム]。収集したデータを視覚化・活用するアプリの一つが「セルフミュージアム」で、3次元空間に集めた画像を配置できる [UC-003 §Cultural Japan とセルフミュージアム]。

セルフミュージアムは、IIIF Curation APIに対応したキュレーションリストの読み込みをサポートしている。IIIF Curation Viewerで作成したデータをビューアに読み込ませるだけで利用できるため、プログラム的な前提知識は不要とされている [UC-003 §Cultural Japan とセルフミュージアム]。2020年11月の東京大学総合図書館リニューアルに合わせて構築された「総合図書館バーチャルミュージアム」では、所蔵資料や『百鬼夜行図』から切り出した妖怪の画像をセルフミュージアム上に表示し、各画像のインフォメーションマークからIIIF Curation Viewerへのリンクが用意されて、元の絵巻物のどの箇所から切り出した画像かを閲覧できる動線が設けられている [UC-003 §Cultural Japan とセルフミュージアム]。

Cultural Japanの検索システムには、IIIFに対応したアイテムの閲覧ビューアとしてCuration Viewerとくずし字認識ビューアが組み込まれており、検索で見つかった画像からワンクリックでくずし字認識ビューアへ遷移できる動線も用意されている [UC-003 §Cultural Japan とセルフミュージアム]。

キュレーションリスト1ファイルで成り立つデータ管理

複数のマニフェストからそれぞれ切り出した画像領域をメタデータとともに管理するという要件に対して、ICPではIIIFキュレーションリストの1ファイルのみで対応できるとされている [UC-003 §まとめ:相互運用性と管理の容易さ]。検索・比較などのアプリケーション開発はICPが提供するツールに委ねられるため、独自に開発すべき範囲をデータ作成に絞り込める点が実践的な利点として挙げられている [UC-003 §まとめ:相互運用性と管理の容易さ]。データ管理の容易さは長期保存にもつながるとされる [UC-003 §まとめ:相互運用性と管理の容易さ]。