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蔦屋重三郎(蔦重)の足跡をたどる

2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の主人公である蔦屋重三郎(蔦重)の足跡を、ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が提供するデータからたどってみましょう。

古典籍

CODHがウェブサイトを立上げて以来、トップページで利用しているカエルの画像は、蔦屋重三郎が出版した狂歌絵本の傑作『画本虫撰』の1枚を用いています。画は日本を代表する浮世絵師のひとりである喜多川歌麿の初期の作です。

画本虫撰(えほんむしえらみ) - 日本古典籍データセット

なお、『画本虫撰』の巻末には、蔦屋重三郎の名前、および耕書堂の既刊書のリストが掲載されています。このように、巻末に既刊書の広告を掲載するという方法は現代では一般的ですが、このアイデアも蔦屋重三郎から生まれたと言われています。

日本古典籍データセットに含まれるその他の古典籍については、書誌情報(メタデータ)を蔦屋 重三郎で検索してみてください。

書店

蔦屋重三郎が開業した書店である耕書堂は、最初は新吉原の入口である大門口五十軒道にありましたが、その後は日本橋にほど近い通油町に進出し、有力な版元として成長しました。

蔦屋重三郎が1796年に死去した後、二代目の蔦屋重三郎が後を継ぎました。その店が1824年に出版された『江戸買物独案内』に登場しています。この時代でも書店の看板商品は、「新吉原細見」という遊廓ガイドブックだったことがわかります。

蔦屋重三郎(小伝馬町二丁目) - edomiショッピング

なおこの時代の江戸の商店については、edomiショッピングをご覧ください。

場所

蔦屋重三郎が人生を過ごした場所は、江戸時代の古地図である「江戸切絵図」にも登場します。

蔦屋重三郎が最初に店を構えた新吉原は、彼が生まれ育った場所というだけでなく、各種ガイドブックの出版や著名人との交流などにおいても重要な役割を果たしました。

[21-236] 惣名新吉原町(今戸箕輪浅草絵図) - 江戸マップ

[21-233] 五十間道(今戸箕輪浅草絵図) - 江戸マップ

新吉原は観光名所でもあったため、江戸時代の多くの旅行ガイドで紹介されています。

新吉原 - edomiトラベル

その後、蔦屋重三郎は、当時の有力な版元が集まる通油町に進出します。

[3-180] 通油町(日本橋北神田浜町絵図) - 江戸マップ

地図

最後に、江戸の地図を確認しておきましょう。江戸時代風の地図「れきちず」にこの2つの場所を示してみると、当時の道路との位置関係などがよくわかります。通油町の店舗は日光道中のすぐ横、そして、そこから日光道中を北上し、浅草を越えてから山谷堀に沿って北に進むと新吉原に到着します。