本ガイドラインは、デジタル・ヒューマニティーズ・コンソーシアム(DiHuCo)の研究実践ハブが作成する。焦点は実践知にある —— 研究においてどのようにデータを作り、どのように扱い、何を問うたか。
扱う範囲
地理情報と空間、地域を記した地誌資料、そして画像と視覚資料を主な対象とする。それらをデータとして扱うための作法、AI との協働、データを公開する実務、そして研究が社会と接する場面を収める。
扱わない範囲
テキストそのものの符号化は、DiHuCo 研究基盤ハブが公開する東アジア/日本のテキストデータ構造化のためのガイドラインが扱う。本ガイドラインはその分担の外側を担うため、TEI による符号化と学術編集版には立ち入らない。ただし画像に写った文字を読むこと —— 認識、字形の分析、判読して活字に起こす翻刻 —— は本ガイドラインが扱う。同ガイドラインの範囲と一部重なるが、画像から文字を起こすことは本ガイドラインの中核にあるため、重複を許容する。
テキストの計量的な分析 —— テキストマイニング、トピックモデル、文体分析 —— も範囲外である。本ガイドラインの対象が図像的・空間的な資料であり、素材とした講演にこの領域の実践知がないためである。ただし規模を変えて見るという見方、すなわち遠読は、画像と空間に適用する形で扱う。
このほか、ネットワーク分析、画面の設計と利用者試験、音声と映像、そして自分で機材を飛ばして行う撮影と測量は扱わない。衛星画像や過去の空中写真のように、すでにアーカイブとして存在するデータを使うことは扱う。
外に良い規範があるので参照で足りるもの
扱わない理由がもう一種類ある —— 本ガイドラインが書くより、既にある文書を指した方がよいものである。
資料の撮影とデジタル化(解像度・色管理・照明・撮影記録)は、国文学研究資料館の日本語の歴史的典籍のデジタル化に関するマニュアルが、撮影方法を詳細に示している。本ガイドラインは節を設けず、そちらを参照する。
FAIR 原則と研究データ管理の一般論は、ALLEA のSustainable and FAIR Data Sharing in the Humanitiesと DARIAH の資料がある。本ガイドラインは、地理・画像・三次元のデータに固有の判断に絞る。
保存の理論的枠組み(OAIS 参照モデル、InterPARES)も概念の紹介にとどめる。
扱うべき範囲のうち、まだ書けていない領域については付録に一覧を置いた。
この文書の作り方
本ガイドラインの本文は、実践知に関する講演や記事を素材とし、研究実践ハブが指定した構造にしたがって AI が生成したものである。本文には根拠となる記事へのリンクを置き、記事からはその出典となる講演資料やリンク先をたどることができる。このようにテキストの由来を検証できる仕組みを用意することで、AI の柔軟性と専門家の信頼性とを統合することを目的とする。