華北交通アーカイブ

概要

「華北交通アーカイブ」は、華北交通の弘報用ストックフォト(華北交通写真)を、華北交通が事業を行っていた交通網とリンクし、写真のテーマや撮影地などから華北交通の活動を探る研究データベースです。

華北交通写真とは

日中戦争のさなかに発足した華北交通が広報用に撮った写真には、戦闘状況はほとんど描かれておらず、地域の交通インフラの整備、資源開発、産業の育成をはじめとして、風土、民俗、文物など多様かつ多彩なイメージが盛り込まれています。グラビア雑誌や新聞、各種博覧会で公表された写真は軍などの検閲が必要でしたが、未使用の写真はそうした規制を経てはいません。そのため、この膨大なストックフォト全体を注意してみれば、80年近く前の中国の風景を読み取ることも可能なのです。その一部には、いまの中国で失われたランドスケープも含まれています。

華北交通写真の内訳

京都大学人文科学研究所が「華北交通写真」として整理していた写真群の中には、満鉄北支事務局(1937ー1938)が撮った広報写真、写真カードの裏面、桑原隲藏(のち京都帝国大学文学部教授)が中国留学時代(1907ー1909)に撮影した写真(『考史遊記』弘文堂書房、1942年に掲載)、東方文化学院京都研究所研究員(のち京都大学人文科学研究所教授)だった貝塚茂樹が1936年9月に撮影した写真、水野清一・日比野丈夫が1940年12月に撮影した写真(『山西古蹟志』中村印刷出版部、1956年)が、一部、含まれております。これらは、写真データの「備考欄」に明記しています。

華北交通写真アーカイブ 39,775枚
華北交通写真 表面38,797枚+裏面210枚=合計39,007枚
考史遊記
293枚
貝塚写真
252枚
山西古蹟志
223枚

もう少し深く知りたい方への文献紹介

書籍・論文
貴志俊彦・白山眞理編著 『京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真資料集成』国書刊行会, 2016 年11月 (詳細リーフレット)。
林采成, 『華北交通の日中戦争史―中国華北における日本帝国の輸送戦とその歴史的意義』, 日本経済評論社, 2016年11月
貴志俊彦, 「グラフ誌が描かなかった死――日中戦争下の華北」, 貴志他編『記憶と忘却のアジア』青弓社, 2015年3月
松本ますみ, 「モンゴル人と「回民」像を写真で記録するということ― 「華北交通写真」からみる日本占領地の「近代」 」, 『アジア研究』別冊3, 2015年2月
記事
「戦下の中国、写真宣伝戦 国策会社の3.5万枚、京大に」, 編集委員・永井靖二, 朝日新聞DIGITAL, 2016年10月9日
華北地方の戦前・戦中伝える秘蔵写真公開, 小岩井 忠道, SciencePortal China, 2016年12月5日
貴志俊彦, 「大学が所蔵する史資料の公開と共有化―華北交通写真資料を手掛かりとして―」, 2017年2月16日
「人文研探検―新京都学派の履歴書(プロフィール)―」 第17回 菊地暁「華北交通写真」出版と写真展開催によせて ―加藤新吉、水野清一、梅原龍三郎のことども―」
ウェブサイト
北支(東洋文庫)

ライセンス

華北交通アーカイブの写真データおよびメタデータのライセンスは、クリエイティブコモンズ 表示 4.0 国際ライセンス(CC BY)とします。以下のクレジットを参考に出典を明記することで、ご自由に利用することが可能です。

出典:「華北交通アーカイブ」(華北交通アーカイブ作成委員会)

また可能な場合には、アーカイブの公式URL(http://codh.rois.ac.jp/north-china-railway/)へのリンクをお願いします。

華北交通アーカイブ作成委員会

華北交通アーカイブ作成委員会では、複数の大学や機関が協力しながら、画像のデジタル化からアーカイブの構築までの共同作業を進めてきました。

アーカイブ構築/運用(委員長)
北本 朝展
情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター国立情報学研究所
写真メタデータ仕様策定/作成・華北交通データ作成(副委員長)
西村 陽子
東洋大学
写真資料デジタル化・アーカイブ解説
貴志 俊彦
京都大学東南アジア地域研究研究所
原資料管理者
石川 禎浩
京都大学人文科学研究所

華北交通アーカイブ協力者

華北交通アーカイブの構築にあたっては、以下の方々の協力を得ました。

IIIF Curation Viewer / IIIF Curation Player開発
本間 淳
フェリックス・スタイル
ウェブデザイン
鈴木 雄哉
皐月弐號
機械学習技術適用
カラーヌワット・タリン
情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター国立情報学研究所

支援

華北交通アーカイブの構築にあたっては、以下の研究費の支援を受けました。

科学研究費 基盤研究(B)
エスニック・メディアにおける太平洋戦争と戦後の記憶と記録 -東アジアと東南アジア(2010-2012年度)
京都大学地域研究統合情報センター共同利用・共同研究
『乾隆京城全図』と空間画像史料を用いた「華北・北京歴史データベース」の構築(2013-2015年度)
科学研究費 基盤研究(B)
デジタル史料批判:エビデンスベース人文情報学のための連結指向型研究基盤 (2016-2018年度)

年表

2011年4月
京都大学人文科学研究所が所蔵する「華北交通写真」の予備調査を開始した。
2012年4月
「華北交通写真」のデジタル化を開始した。この作業は2015年度に完了した。
2013年4月
京都大学地域研究統合情報センター共同利用・共同研究の個別プロジェクト「『乾隆京城全図』と空間画像史料を用いた「華北・北京歴史データベース」の構築」(2013-2015年度)の発足を機に、華北交通アーカイブ作成委員会が立ち上がった。同委員会メンバーを中心とした共同研究を開始。写真メタデータの整理や、写真の撮影位置の特定を進めた。
2015年12月
華北交通アーカイブの試作版を構築し、研究会で進捗状況を報告した。
2016年11月
日本カメラ博物館にて企画展「秘蔵写真 伝えたかった中国・華北 ―京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真―」を開催すると同時に、「華北交通アーカイブ」プロトタイプ版を公開。写真の閲覧は会場限定とした。
2019年2月
京都大学総合博物館における「カメラが写した80年前の中国―京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真」の開催を機として、「華北交通アーカイブ」正式版を公開。すべての写真のウェブ公開に踏み切った。

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