『万宝料理秘密箱 卵百珍』のレシピです。翻刻テキスト、現代語訳、現代レシピの3種類があります。すべてのレシピに翻刻テキストを用意していますが、現代語訳と現代レシピは一部のレシピに限定しています。なお画像一覧からもレシピにアクセスできます。
現代レシピ
やさしい甘さ ふわふわ梅仁卵・求肥卵
原典にある梅仁は、梅の種のこと。これを現代でも入手しやすいピーナッツで代用し、古酒も甘酒を使うことで、子供でもおいしく食べられるようにしました。香ばしいピーナッツの味わいと、程よい甘さが感じられ、蒸しパンより軽い口当たりになっています。
材料 | 分量 (2人分) |
---|---|
卵 | 2個 |
ピーナッツ | 40g |
甘酒 | 100ml |
砂糖 | 小さじ1 |
メイプルシロップ | 適量 |
粉糖 | 適量 |
手順
1 | ピーナッツをお湯に15分漬ける。 | |
---|---|---|
2 | 1をミキサーなどで粉状にする。 | |
3 | 甘酒を加えて、さらにミキサーにかけて混ぜる。 | |
4 | 卵を卵白と卵黄に分け、卵白を泡立て、軽くツノがたったら砂糖を加えてしっかり泡立てる。 | |
5 | ツノがしっかり立つまで泡立てたら、卵黄を溶きほぐして加えさっくり混ぜる。 | |
6 | 3を加えて、ふんわり軽く混ぜる。 | |
7 | 容器に移し、180度に加熱したオーブンで12分焼き、シロップと粉糖をかけて完成! |
コツ・ポイント
卵黄を最後に軽く混ぜることで、中はふわふわ、下はしっとり、様々な食感を楽しむことができます。焼き上がりは、すぐにオーブンのふたを開けず、10分ほど余熱を入れてから取り出しましょう。
レシピ概要
項目 | 内容 |
---|---|
食材分類 | 卵、香辛料、葛、飴 |
主な食材 | 卵、梅仁、山葵か生姜、葛、水飴 |
調味料 | 白砂糖、古酒、味噌 |
主な調理法 | 摺り合わせる、蒸す |
道具 | すり鉢、箱か鉢 |
主な使い方 | 平皿(敷葛)、吸物(甚太薄みそ汁)、すまし、刺身、茶料理(水飴をかける) |
現代語訳
手順
1 | まず梅仁約1合分の薄皮を取る。 |
---|---|
2 | ①をしばらくお湯に漬ける。 |
3 | ②を摺鉢でよくすりのばす。 |
4 | ③の中に白砂糖50目(200g)に古酒5合(900cc)を入れ、よくすりのばす。 |
5 | 新しい卵12個ほどを一つずつ割り、よく混ぜ合わせる。 |
6 | 箱か鉢かに入れ、蒸す。 |
使い方など
使い方は、山葵か生姜味噌か、または何も入れず味噌だけを柔らかくして、敷くのもよい。平皿物には、一種取合にするのがよい。または敷葛でもよい。吸物は薄味噌汁・すまし・指身には冷して切り重ねにする。また茶家では中皿に入れ、上々の水飴を少しかけて出すのも一段とよい。
翻刻テキスト
手順
1 | 先梅仁を 一合ほどを 薄をさり |
---|---|
2 | しばらく温湯に漬 |
3 | さて摺鉢にて よくすりのべ |
4 | 此中へ白砂糖五拾目に 古酒五合いれ よくすりのべて |
5 | 新しきたまご 十二ほどを 一 づつわりこみ 是もよくよくすり合 て |
6 | 箱か 鉢かに入 むすへし |
使い方など
遣ひ方は 山葵か せうがみそか 又何にもいれずに みそばかり 和かにして 敷もよし 一、平皿ものには 何にても 一種取合 てよし 又は敷葛もよし 一、吸もの甚汰薄みそ汁 一、すまし 一、指身には 冷して切重 又茶家にては 中皿にいれ 上々濡飴を すこしかけて 出すも一段とよろし
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ライセンス
『江戸料理レシピデータセット』(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター作成) 『日本古典籍データセット』(国文学研究資料館所蔵)を翻案 はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-SA)の下に提供されています。
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『江戸料理レシピデータセット』(CODH作成) 『日本古典籍データセット』(国文研所蔵)を翻案
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